目次
はじめに
問題解決練習について
④の「応用・転移技術」の中で言う 「問題解決練習」 について、詳しく解説しますね。
問題解決練習とは
問題解決練習 は、学んだ知識やスキルを、未知の課題や現実に近い状況で自分の力で活用する訓練のことです。
ポイントは 「答えがすぐに与えられない状況で、自力で考えて処理する」 という点です。これは単なる暗記や練習問題を解くこととは少し違います。
目的
- 知識の定着
- 知識を覚えるだけでなく、「どう使うか」を体験することで記憶が深まる。
- 応用力の向上
- 学んだことを別の場面や複雑な状況で活用できるようになる。
- 思考力・判断力の強化
- 自分で手順を考え、試行錯誤することで柔軟な思考力が育つ。
- 失敗体験からの学習
- 自分で失敗した経験をもとに、次にどう改善するかを考える力が身につく。
やり方
1. 小さな課題から始める
- 教科書やノートの知識を使って、自分で問題を設定する。
- 例:数学なら「公式を覚えるだけでなく、日常の買い物で割引計算を自分で考える」
2. 試行錯誤する
- 最初はうまくいかなくてもよい。
- 手順を考え、実行し、結果を検証する。
3. 振り返り・分析
- なぜうまくいったか、失敗したかを分析する。
- 「次回はこうしたらもっと効率的」と改善策を考える。
4. 段階的に難易度を上げる
- 最初は単純な問題 → 次に複雑な問題 → 現実世界の応用
- 例:プログラミングなら簡単な関数作成 → 小さなアプリ制作 → 実際の業務データで分析
ポイント
- 自力で考える時間を十分に取ること 答えをすぐ見ないことが重要です。
- 現実に近い問題を設定すること 学習が実生活や仕事に直結する。
- 失敗を恐れないこと 失敗から学ぶプロセスこそが応用力を作ります。
💡 例:勉強法での問題解決練習
- 英語の文法を学んだ → 実際に自分で英文を書いてみる
- 歴史の知識を覚えた → 「もしこの戦争が別の結果になったら?」と仮想シナリオを考える
- プログラミングを学んだ → 自分の生活で役立つツールを作ってみる
まとめると、問題解決練習は「学んだ知識を自分で使う経験を積む」訓練です。
暗記や演習の延長ではなく、「未知の課題に対して自力で答えを作り出す」力を鍛えることが核心です。
問題解決練習の問題点について
「問題解決練習」は非常に有効な学習法ですが、実践する上での問題点・注意点もいくつかあります。詳しく整理します。
1. 学習負荷が高い
- 理由:未知の課題に挑むので、思考力・集中力・時間が大量に必要になる
- 問題点:
- 初心者や知識が不十分な段階では挫折しやすい
- 過度に負荷をかけるとモチベーション低下やストレスにつながる
- 対策:段階的に難易度を上げる、小さな成功体験を積む
2. 答えが見えにくく不安になる
- 理由:答えがすぐに分からないため、自信喪失につながることがある
- 問題点:
- 自己効力感(自分でできるという感覚)が下がる
- 間違った方法で学習を続けてしまうリスクがある
- 対策:振り返りや解説を必ずセットにする、部分的なヒントを使う
3. 時間効率が悪い
- 理由:試行錯誤を重ねる必要があるため、暗記や単純練習より時間がかかる
- 問題点:
- 学習の量が制限される
- 短期的に成果を求める場合には不向き
- 対策:重要テーマや応用力が必要な分野に絞って実施する
4. フィードバック不足のリスク
- 理由:自力で考えることに集中するあまり、間違いを修正せずに進める場合がある
- 問題点:
- 間違った知識や方法が定着する
- 効率的な解決法を学べない
- 対策:問題解決後に自己チェックや他者レビューを行う
5. 課題設定が難しい
- 理由:自分で未知の課題を作るのは、ある程度の知識や経験が必要
- 問題点:
- 簡単すぎると練習にならない
- 難しすぎると挫折する
- 対策:教材や模擬問題、シナリオを活用して課題を作る
まとめ
「問題解決練習」は 知識の応用力を鍛える最強の学習法 ですが、
- 負荷が高い
- 答えが見えず不安になる
- 時間がかかる
- フィードバックが必要
- 適切な課題設定が難しい
といった 実践上の問題点 が存在します。
効果的に行うためには 段階的・計画的な実施 と 振り返りやサポートの活用 が不可欠です。