学習指導要領について

ターゲット:学習指導要領が何か知りたい人
メリット:教育の全体像を理解できる

学習指導要領とは

学習指導要領とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂しています。子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。

学習指導要領の範囲

学習指導要領は、以下の学校教育に適用されます。

  • 幼稚園教育要領(幼稚園)
  • 小学校学習指導要領(小学校:1年生~6年生)
  • 中学校学習指導要領(中学校:1年生~3年生)
  • 高等学校学習指導要領(高等学校:1年生~3年生)
  • 特別支援学校学習指導要領(特別支援教育)

学習指導要領の構成

学習指導要領においては、教育課程全般にわたる配慮事項や授業時数の取扱いなどを「総則」で定めるとともに、各教科等のそれぞれについて、目標、内容、内容の取扱いを大まかに規定されています。

学習指導要領を改定する理由

学校は、社会と切り離された存在ではなく、社会の中にあります。グローバル化や急速な情報化、技術革新など、社会の変化を見据えて、子供たちがこれから生きていくために必要な資質や能力について見直しを行っている。

学習指導要領のキーワード「生きる力」

生きる力とは、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力と自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力のことです。

学習指導要領の目指す「資質・能力の3つの柱」

1.学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性など
2.実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能
3.未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力など

学校では、社会に出てからも学校で学んだことを生かせるよう、三つの力をバランスよく育みます

学習指導要領の理念(社会に開かれた教育課程)

社会に開かれた教育課程とは、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な教育内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら、社会との連携・協働によりその実現を図っていくことです。

社会に開かれた教育課程の3つのポイント

1.社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと。

2.これからの社会を創り出していく子供たちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自分の人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを、教育課程において明確化し育んでいくこと。

3.教育課程の実施に当たって、地域の人的・物的資源を活用したり、放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図ったりし、学校教育を学校内に閉じずに、その目指すところを社会と共有・連携しながら実現させること。

学習指導要領の法的効力

小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。

学校教育法施行規則 第52条

中学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する中学校学習指導要領によるものとする。

学校教育法施行規則 第74条

高等学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する高等学校学習指導要領によるものとする。

学校教育法施行規則 第84条

特別支援学校の幼稚部の教育課程その他の保育内容並びに小学部、中学部及び高等部の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程その他の保育内容又は教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する特別支援学校幼稚部教育要領、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領及び特別支援学校高等部学習指導要領によるものとする。

学校教育法施行規則 第129条

学習指導要領は,国会で制定された「学校教育法」の規定をうけて「学校教育法施行規則」で定められており,法体系に位置付けられていることから,国民の権利義務に関係する「法規」としての性質を有するものと解されています。

まとめ

学習指導要領は、日本の学校教育の基本方針を示したもので、法規としての性質を有しています。これを知ることで、どの学年で何を学ぶのか、教育の流れを体系的に理解できます。詳しいことを知りたい方は文部科学省の学習指導要領のページをぜひ読んでみてください。

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