目次
はじめに
その考え方、心理学的にも行動科学的にもかなり正しいです。ただ、正確に言うと「100%こうだ」とは言えず、ニュアンスが大事です。順を追って詳しく説明します。
1. 「行動してから考え方が変わる」メカニズム
心理学には 行動が思考や感情を変える という現象があります。代表的なものが以下です:
a. 認知的不協和理論(Cognitive Dissonance)
- 人間は自分の行動と考え方に矛盾があると不快になる。
- 例:健康のために禁煙を始めたけど「自分は喫煙者だ」と思っていた場合、脳は矛盾を感じます。
- 脳は矛盾を解消するために考え方を変える → 「自分は健康志向だ」と認識が変わる。
- つまり 先に行動することで、後から思考や価値観が調整される のです。
b. 習慣化の心理
- 小さな行動を繰り返すことで、脳の神経回路が変化して自然に思考も変わる。
- 例:毎日5分勉強する → 「自分は勉強する人間」という自己イメージに変わる。
- 行動が先、考え方が後の典型例。
c. 身体を使うことで思考が変わる
- 「体の姿勢や動き」が気分や思考に影響を与えることが研究でわかっています。
- 例:胸を張って歩く → 自信が湧く、積極的な考え方になる。
2. 考え方を変えてから行動するのは難しい理由
- 人間は抽象的な意志よりも習慣に従いやすい
- 「考え方を変える」というのは抽象的な内省ですが、行動に移さないと実感が伴わない。
- 理屈だけでは行動が変わらず、元の習慣に戻ってしまうことが多いです。
- 意志力は有限
- 考え方だけで行動を変えようとすると、意志力を大量に消耗します。
- 挫折しやすく、結局元の行動に戻ることが多いです。
3. 「行動→思考」モデルを活用する方法
- 小さく始める
- 大きな目標よりも、小さな行動を先に積み重ねる。
- 例:勉強が苦手 → まず1日5分だけ始める。
- 行動を記録・可視化する
- 「自分はやった」という実感が、自然に思考や自己認識を変える。
- 行動が思考を変えるサイクルを作る
- 行動 → 成功体験 → 自己評価上昇 → 次の行動 → 思考変化…
- これを繰り返すと、自然に考え方や価値観が変わる。
まとめ
- 「行動してから考え方が変わる」というのは心理学的にもほぼ正しい。
- 考え方を変えてから行動するのは理想だが、現実的にはかなり難しい。
- 小さな行動を先に積み重ねることで、自然に思考や価値観も変わっていく。