目次
はじめに
その人を形づくるもの──できるだけ全部リスト化
ざっくり分類して、各カテゴリに具体例を並べます。全部を一気に変えられるもの/変えにくいもの、内的なもの/外的なものを混ぜているので、自分や他者を総合的に見るときに役立ちます。
1) 生物学的要因(変化しにくい〜中程度)
- 遺伝(DNA、先天的特性)
- 発達(胎生期の影響、早期発達の栄養や障害)
- 脳の構造・神経伝達物質のバランス
- 性別(生物学的セックス)
- 年齢・ライフステージ
- 健康状態・慢性疾患・身体能力
- 睡眠・栄養・運動習慣
- 腸内細菌(マイクロバイオーム)
2) 心理的・内面的要因(比較的可塑性あり)
- 気質(生まれつきの反応傾向)
- 性格(ビッグファイブ等)
- 信念・価値観(世界観、道徳観)
- 動機づけ(内発的/外発的)
- 自己概念・自己効力感(「自分は何者か」)
- 感情調節能力(レジリエンス、ストレス耐性)
- トラウマや過去の重要な出来事の影響
- 習慣・行動パターン・癖
3) 認知・学習の要因
- 知能・認知スタイル(論理的/直感的など)
- 知識・スキル・専門性(教育・訓練の蓄積)
- 注意・記憶・意思決定の癖
- メタ認知(自分の考えを観察する力)
- 問題解決手法・学習テクニック
4) 環境的要因(外部・構造)
- 家庭環境(育てられ方、親の養育スタイル)
- 経済状況・社会階層(貧困・富)
- 教育機関・職場・コミュニティの質
- 物理的環境(住む地域、気候、都市/田舎)
- 法・制度・政策(医療、教育、福祉制度)
- 文化・宗教・伝統・慣習
- テクノロジーとの関わり(SNS、メディア消費)
- 言語(母語・二言語性が思考に与える影響)
5) 社会的関係・ネットワーク
- 家族(親、配偶者、子ども)
- 友人・仲間(親密度・支持の有無)
- メンター・師・上司
- 所属団体(趣味・宗教・政治グループ)
- 社会的評価・ラベリング(期待・差別・偏見)
6) 歴史的・時代的要因
- 生きている時代(戦争・不況・パンデミック等の世代性)
- 地域・国の歴史的背景(植民地性、移民の歴史)
- テクノロジーや文化の時代的トレンド
7) 偶然・運・重要なイベント
- ランダムな出会い・チャンス(良い・悪い)
- 事故・病気・成功体験・失敗体験
8) 制度的・構造的力学(マクロな影響)
- 経済システム(資本主義、市場の性質)
- 教育制度の仕組み
- 労働市場・職業構造
- 法律・政治(投票制度、表現の自由など)
9) アイデンティティを形作る要素(自己認識)
- 性自認・性的指向
- 人種・民族・文化的アイデンティティ
- 職業的アイデンティティ(「私は〜である」)
- 趣味・ライフスタイル・所属コミュニティ
10) フィードバックループとダイナミクス
- 習慣が習慣を強化する(行動→結果→期待の循環)
- 社会的期待が行動を変え、さらに評価を変えるループ
- 小さな選択の累積(複利的効果)
11) メタ要素(「どのように」その人が変わるかに関するもの)
- 学習の機会・学び方(反省・実験・反復)
- 自己修正力(フィードバックを取り入れる力)
- 意図的な環境設計(環境を変えて行動を変える)
- サポートシステム(コーチ、治療、カウンセリング)