目次
はじめに
憲法・教育基本法・学校教育法・学習指導要領は「公式ルールブック」だから、ここを押さえないと日本の教育制度は理解できない。
そのうえで、「制度を理解する」という観点から見ると、他にも最低限知っておくべきレイヤーがいくつかある。体系的に整理するね。
① 制度を“動かしている実務ルール”
法律や指導要領は抽象度が高いから、実際の学校は別の文書で動いている。
必須
- 教育施行規則・省令・告示
- 例:学校教育法施行規則
- 通知・通達(文科省→教育委員会)
- 学習評価の扱い、ICT活用、特別支援など
- Q&A・解釈資料
- 「学習指導要領解説」「評価の手引き」など
👉 「法律に書いてないけど、現場では必須」な知識
② 行政構造(誰が何を決めているか)
教育は中央集権でも完全地方分権でもない。
押さえるポイント
- 国(文科省)
- 基準・方向性・全国ルール
- 都道府県教育委員会
- 教員人事、高校設置、研修
- 市町村教育委員会
- 小中学校運営、予算配分
- 学校(校長の権限)
👉 「責任の所在」と「裁量の限界」を理解するために必須
③ 教員制度・教職文化
制度は「人」によって運用される。
知っておくべきこと
- 教員免許制度
- 採用・異動・評価の仕組み
- 校長・教頭の役割
- 職員会議の法的位置づけ
- 教員の裁量と制約
👉 なぜ現場が変わりにくいかが見える
④ 学習評価・進級・入試制度
教育の「出口構造」。
重要項目
- 観点別評価・評定
- 単位制/学年制
- 義務教育の進級原則
- 高校・大学入試制度
- 内申点の扱い
👉 指導要領がどう“歪められる/最適化される”かが分かる
⑤ 財政・予算・設置者責任
理想と現実のギャップの正体。
最低限
- 国庫負担制度
- 設置者(市町村・都道府県)の責任
- 教員給与の仕組み
- 教材・ICT・外注の予算構造
👉 「やりたくてもできない理由」が理解できる
⑥ 歴史的経緯(戦後教育史)
制度は「過去の妥協の積み重ね」。
特に重要
- 戦後教育改革(GHQ)
- 教育基本法改正(2006)
- 学力低下論・ゆとり教育
- 学習指導要領改訂の流れ
👉 今の制度の“思想的背景”が見える
⑦ 教育を取り巻く社会的圧力
制度は社会と切り離せない。
- 保護者・世論
- 経済界の要請
- 少子化・格差問題
- 不登校・特別支援
- グローバル比較(PISAなど)
👉 制度変更が起きる「外圧」を理解
まとめ(構造化)
日本の教育制度を理解するために必要なのは:
① 憲法・法律・学習指導要領(公式ルール)
② 実務文書(通知・通達・解釈)
③ 行政構造(権限と責任)
④ 教員制度(運用主体)
⑤ 評価・入試(出口)
⑥ 財政(実現可能性)
⑦ 歴史と社会圧力(背景)