目次
はじめに
「再目標化(Re-goalization)」は、一度掲げた目標が自分に合わなくなったときに「捨てる/作り直す」勇気と柔軟性を持つプロセスです。多くの人は「目標は絶対に守らなければならない」と思いがちですが、実は長期的なモチベーション維持の観点では「目標を修正する力」がとても重要です。
再目標化の意義
- 挫折を「失敗」ではなく「調整」と捉え直せる
- 変化した状況・自分の状態に適応できる
- 心理的負担(罪悪感・無力感)を軽減する
1. 破棄(Letting Go)
- 狙い:もう意味をなさない古い目標を潔く手放す
- 背景理論:心理的回復理論(loss-oriented vs. restoration-oriented coping)
- 方法例
- 達成が現実的でない目標を棚上げする
- 「今の自分に必要か?」を問い直して優先度を下げる
- 「やめる理由」を紙に書き出し、納得したうえで中止する
- ポイント:「諦め」ではなく「戦略的撤退」として捉える
2. 修正(Adjustment)
- 狙い:達成可能性を上げるためにハードルを調整する
- 背景理論:SMART目標理論(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)
- 方法例
- 「1日2時間勉強」→「まずは30分から」
- 「TOEIC900点」→「まずは700点突破」
- 「半年以内」→「1年計画に延長」
- ポイント:小さな成功を積み重ねるように設計し直す
3. 再設計(Redesign)
- 狙い:別の角度から新しい目標を作り直す
- 背景理論:目標設定理論(Locke & Latham)、自己決定理論
- 方法例
- 「資格合格」から「資格勉強を通じて知識を応用できるようになる」へシフト
- 「毎日完璧にやる」から「週に3回、工夫して続ける」へシフト
- 「外的評価(点数・合格)」から「内的価値(成長・楽しさ)」へ転換
- ポイント:達成の形を一種類に固定せず、「多様な成功の基準」を持つ
4. 再目標化の実践ステップ
- 現状評価:「今の目標は自分にとって本当に意味があるか?」
- 不適合の明確化:「なぜ挫折しやすいのか?」(負荷?興味?環境?)
- 方向性の選択:破棄/修正/再設計のどれに当てはまるか決める
- 小さなリスタート:新しい行動を具体的に始める(例:まず1週間だけ試す)
まとめイメージ
- 破棄:古い枝を剪定
- 修正:枝の長さを調整
- 再設計:新しい枝を伸ばす
つまり「目標は固定された石碑ではなく、成長に合わせて形を変える柔軟な道具」と考えるのが再目標化の核心です。