目次
はじめに
この記事は勉強ができるようになる方法を体系的にまとめた「勉強力の論理構造」の② Motivation System(動機・目標設計)を最適化する方法の1つ、その中でも① 動機の源泉に含まれる「外的動機(統制型)」について書いています。① 動機の源泉をまだ読んでいない方は先に下の記事を読むことをお勧めします。
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外的動機(統制型)について
「外的動機」は学習心理学でよく出てくる概念で、短期的に強い行動の原動力になる反面、長期的には弱点もあります。順を追って詳しく整理します。
外的動機(Extrinsic Motivation)の基本
1. 定義
- 外的動機とは、報酬や罰など外部の要因によって行動する動機です。
- 「勉強そのものの楽しさ」ではなく、「結果によって得られるもの/避けたいもの」が原動力になります。
2. 具体例
- ご褒美型:資格を取ってボーナスをもらう、テストで良い点を取る
- 罰回避型:怒られたくない、赤点を取りたくない
- 競争型:同級生より成績が上でいたい
※すべて外部の要因(報酬や評価)が原動力になっています。
3. 特徴
- 短期的な推進力が強い
- 締切やインセンティブによる集中力の爆発力がある
- 目標が明確
- 「ボーナスが欲しい」「合格したい」といった具体的な行動指標がある
- すぐに行動に繋がる
- やる気が自然に湧かないときでも、外的報酬があれば行動可能
4. 問題点・注意
- 継続性に弱い
- ご褒美や罰がないと行動が続かない
- 「合格したら終わり」で学びが途切れやすい
- 精神的負担
- 「やらなきゃ!」という感覚が強く、ストレスになりやすい
- 内発的動機とのバランスが必要
- 外的動機だけだと勉強が単なる義務になり、楽しさや自主性が育たない
5. 活かし方
- 短期的な突破力として活用
- 例えばテスト前や締切前に「外的動機」を意図的に使う
- 内発的・内在化動機と組み合わせる
- 外的報酬を「自分の価値観や楽しさ」に結びつけると、長期継続に変換可能
まとめ
外的動機は「短期集中や緊急時の原動力」としては最強ですが、単独では長期の学習には不向きです。理想は、外的動機をスタートダッシュや締切管理に使いながら、徐々に内発的・内在化された動機に変換していくことです。
外的動機の問題点
「外的動機(報酬や罰による動機)」の問題点は、短期的には強力でも長期的には学習を阻害したり精神的負担を増やしたりする点にあります。細かく整理します。
1. ご褒美や罰がないと続かない
- 外的動機の原動力は外部の報酬や罰に依存しているため、それがなくなると勉強意欲も急激に落ちます。
- 例:
- 「試験が終わったら勉強をやめる」
- 「ボーナスをもらえないと資格勉強をやめる」
影響: 長期的に学習習慣が定着しにくくなる。
2. 学習が「目的達成型」に偏る
- 外的動機は「結果」を重視するため、プロセスの楽しさや理解の深さよりも、合格や報酬だけを追いかける傾向があります。
- 例:
- 「テストで点を取るためだけに暗記する」
- 「資格取得のためだけに問題集を解く」
影響: 学びの深さや応用力が育ちにくい。
3. 精神的な負担が大きい
- 「やらなきゃ」という強制感が常に伴うため、ストレスやプレッシャーが増大します。
- 例:
- 締切前の焦燥感や不安
- 成績や評価が低かったときの自己否定感
影響: 長期的には燃え尽きやモチベーションの低下につながる。
4. 内発的動機との相反
- 外的動機だけに頼ると、自分から学ぶ楽しさや興味を育てる力が弱まります。
- 「報酬なしでは勉強できない」状態になることがあります。
影響: 自主的な学習習慣や好奇心が育ちにくくなる。
5. 短期的には強いが長期では脆弱
- 緊急性やインセンティブがあると瞬発力は出ますが、目標達成後にモチベーションが急落します。
- 例:
- テスト前は猛勉強するが、テストが終わると完全に勉強をやめる
- 資格取得後に全く学習しなくなる
まとめ
外的動機は「短期的な集中力や行動の後押し」として有効ですが、
- 報酬・罰なしでは続かない
- 学習が表面的になりやすい
- 精神的負担が大きい という弱点があります。
対策:外的動機は短期突破や締切管理に使いながら、少しずつ「内発的・内在化動機」に変換していくと、長期的に学習を継続できます。
まとめ
この記事を読んで「外的動機(統制型)」について分かってもらえると嬉しいです。
↓ 勉強ができるようになる方法の全体像が知りたい方は下の記事をお読みください。
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