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同一化的動機について

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はじめに

「同一化的動機(Identified Motivation)」は 自己決定理論(Self-Determination Theory, Deci & Ryan) における外的動機づけの一種ですが、非常に「内発的動機に近い」特徴を持っています。

同一化的動機とは?

  • 定義 外から与えられた価値や目標を「自分の大切なこと」として同一化し、納得して取り入れた動機。 つまり「やらされている」ではなく「やることに意味がある」と思えている状態です。
  • 位置づけ(自己決定理論の連続体)
    1. 外的調整(完全に外部依存:やらされる)
    2. 取り入れ的調整(評価や罪悪感による:やらないと不安)
    3. 同一化的調整(自分の目標に関連付けて納得:やる意味を理解)
    4. 統合的調整(自分の価値観やアイデンティティに統合:やることが自然)
    5. 内発的動機(純粋に楽しいからやる)

同一化的動機は、この中で 「外的 → 内発的」の橋渡し役 です。

学習における具体例

  • 「数学を勉強するのはテストのため」 → 外的調整
  • 「サボると親に怒られるから」 → 取り入れ的調整
  • 「将来エンジニアになりたいから数学を理解しておきたい」 → ✅ 同一化的動機
  • 「理系として問題解決が好きだから数学は自分の一部」 → 統合的調整

同一化的動機を強化する方法

  1. 将来像とのリンクづけ
    • 「この勉強は将来〇〇になりたい自分に必要」と言語化する。
    • 例:「英語を勉強する → 海外で働きたい自分に役立つ」
  2. 自己決定感を持たせる
    • 自分で選んだ教材・学習方法を取り入れる。
    • 他人からの指示ではなく「自分で選んだ」と思えると強化される。
  3. 内面化のステップ化
    • 最初は「資格が必要だから」でもOK。
    • そこから「資格取得 → キャリア構築 → 自分の理想像につながる」と再フレーミングしていく。
  4. 意味づけの習慣化
    • 定期的に「なぜこれを学ぶのか?」を紙に書く。
    • 学習日記に「今日の勉強が将来どう役立つか」を一行加える。

ポイント

  • 同一化的動機が育つと、外的報酬がなくても続けやすい
  • 「意味がある」と思えると、やる気が安定しやすい
  • ただし「まだ自分の一部」まではいっていないので、油断すると「外的動機」に逆戻りしやすい。

まとめ

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